社内のWEB担当者になるべきなのは誰か?
中小企業のWEBコンサルをしていると、社長だけでなくWEB担当に接触する必要がでてくることが多い。
ところが、結構このWEB担当を誰にするかを間違えている場合が多い。
結論から言うと、最もWEB担当に向いているのは「トップセールスの営業」だ。
なぜか?
WEBの運用に最も必要な知識は「人を動かしビジネスを成り立たせる知識」だからだ。
・セールストーク
・セールスに必要な商品構成
・自社商品が競合と比較してどういう位置付けなのか?
・どのように提案すれば見込み客に響くのか?
・自社のブランドをどう表現するべきか?
・オファーをどう出すべきか?
・提案の際にどう言葉を選ぶか?
・見込み客の反応が変わる瞬間はどこか?
・見込み客はどこで自社商品を知りどういう流れで購入に至るのか?
・見込み客はそもそもどういった人なのか?
こうした知識をWEB上に反映させることができると、非常に成功しやすい。
見込み客を購入に動かすために重要な要素を、WEBを作る人間が全て手に取るようにわかっているからだ。
一方で、WEB担当者選びの段階から失敗に向かってしまう人選がある。
それが「システム担当」や「エンジニア」をWEB担当にするパターンだ。
彼らはコーディングが理解できたり、サイト制作がスラスラできたりするので、WEB導線を作るのに向いていると思われがちだ。
ところが、残念な事に人の気持ちの機微に鈍感であることが多い。
人に対して何を伝えれば行動させることができるのかが全くわからないことが多いのだ。
プラスして、彼らの多くは「ミスをしない」事に重点をおいて仕事をするスタンスが身に染み付いてしまっている。
そうすると、新しい手法があってもその欠点を探す方向に脳が働きやすく、有効なマーケティング手法に飛び込んでいけなかったりするのだ。
そう言う自分もエンジニア兼WEB担当と仕事をしたことがあったが、結構最悪な思い出だ。
当時クライアントと話をして総合的に考えた結果、そのクライアントに最も必要なことは「コンバージョンポイントを全て洗い出して稼働しているか確認する」事だった。
そのクライアントはページ毎に問い合わせフォームを作ってしまっていたため、管理はおろか稼働すらわからない状態だったのだ。
また、タチの悪い制作会社に捕まり、Googleアナリティクスのタグすら全ページに仕込まれていなかったのだ。
だから自分はまずGoogleアナリティクスタグと問い合わせフォームの稼働状況を調べた。これがビンゴでほとんどの問い合わせフォームがまともに稼働していなかったのだ。経営サイドにしてみたらたまったものではない。
ところが、WEB担当だったエンジニアは私のした仕事に対し「それはエンジニアである自分でもできる仕事であって、もっとライティングなどのクリエイティブな事を期待していた」と抜かしやがった。
しかも契約期間の終了時にだ。
今までテメエが気付かなかったからこの状態だったんだろと言いたい。
私は当然社長に怒りをぶちまけた。
また、営業の時もエンジニア出身のWEB担当はだいたいよくわかった。彼らは商品を提案すると、細々と質問を延々と繰り返して、最終的には資料をよこせと言う。そして検討せずまた連絡するとウジウジと質問を繰り返す。
要するに守りの姿勢の人材が多いのだ。
もちろん、別にシステム担当やエンジニアをバカにしているわけではない。
有能な社長や営業マンの専属として一心同体にWEB構築をすれば、他の企業を一気にだしぬけるくらいのものを作り上げられる可能性は高い。
だけど、WEB担当としてWEBコンサルと共同で仕事をするには著しく不適だと言える。
少なくとも外部の人間を織り交ぜる可能性のあるポジションでWEB担当として使うべきではない。
WEB担当とは、WEBという新規事業立ち上げの全てを担う人間なのだ。
やはりトップ営業に任せるのが最もスムーズで、それ以外の人選をするならばやらないほうがいいかもしれない。